太陽光で発電したり、着火したり--。キャンプで役立つソーラーグッズをご紹介。太陽光がより愛おしい!

アウトドアフィールドでは、エネルギーをどのように確保するかが大切になります。体力維持のための食事はもちろんのこと、調理用に火をおこしたり、暗闇を照らす光を得たり。普段の生活では気づくことのないエネルギーの必要性を意識することになるでしょう。

そんな時、力強いサポートをしてくれるのが、太陽光です。街から離れてオフグリッド(*1)になったとしても、太陽光があれば不安を感じることはありません。いつでも、その「エネルギー」=「太陽光」を利用できるからです。

*1 電力会社の送電網につながらず、独立して電気を自給自足すること。

最近では太陽光を利用したさまざまなアイテムがあります。そこで今回は、エネルギーを意識しながらアウトドアライフを楽しめるソーラーグッズを集めてみました。

 

折り畳みできるソーラーランタン「エムパワード アウトドア2.0Pro」

ソーラーパネル付きなのにビニール素材でできていて、重さは約156g。使用時は直径127×108mmだが、空気を抜くと高さ38mmとなり、コンパクトに収納が可能なLEDランタン。税込み6050円

キャンプ時は街灯がなく、テント内は部屋のように明るくライトが灯ることもないので、夜を長く感じるかもしれません。月明かりもない山の中では、手を伸ばした先すら見えないほどの暗さ。「早く朝が来てほしい」と思うことも多いのです。

そこで、キャンプ道具でまずそろえたいのは、ライト。ライトのちょっとした明かりでも、大きな安心感が得られるからです。ソーラーランタンのエムパワード アウトドア2.0Proは、そんなキャンプシーンに大いに役立ちます。

このLEDソーラーライト・エムパワードは、電気のない生活を送っている人のためにアメリカのエムパワード社によって開発されました。たくさんのNGO(非政府組織)を通して世界各国に届けられ、125万人以上が利用しているそうです。

本体はビニール素材でできていて、空気を入れて膨らませて使います。上部にソーラーパネルが付いているので、電池は要りません。LEDライトが点灯すると光が本体に反射して、柔らかい光で周囲を照らしてくれます。

充電時間は、直射日光で14時間。内蔵バッテリーの容量は2000mAhで、最大50時間の長時間点灯ができます。明るさも最大150ルーメンという、キャンプで使うには十分な明るさ。光の強さは3段階(強・中・弱)あり、点滅させることも可能です。

蓄えた電気をスマホの充電に利用できる、USBポートを装備している。防水性もあり、IP67。

太陽があればいつでも電気を得られるエムパワード アウトドア2.0pro。ソーラーパネル横に取り付けられた2ウェイのUSBポートを使えば、その電気をさらに活用できます。

USBケーブルでつないで、自宅コンセントで充電することもできます(USB使用で2~3時間)。そのため、持ち運びができるモバイルチャージャーとしても利用が可能。外出前に充電しておけば天気を心配することなく、ライトはもちろんスマホの充電にも使えるのです。

スマホは、アウトドアでも欠かせないアイテムになりました。登山時の通信手段はスマホが一般的になりつつあり、いろいろな情報を得るためにも必要不可欠。また、被災時にスマホが使えることは、大きなアドバンテージになります。

そのスマホ用の電源をいつでも確保できるエムパワード アウトドア2.0Pro。光とともに大きな安心感を提供してくれる、力強いアイテムといえるでしょう。

http://mpowerd.jp

 

おしゃれな防水ソーラーライト「ソネングラス」

インテリアのアクセントにもなる美しいデザインのソーラーライト「ソネングラス」。写真左 税込み4400円(1000㎖)、右 税込み3850円(250㎖)。

最近は、おしゃれなキャンプサイトが多くなってきました。野外活動のキャンプというこれまでのイメージとは違って、スタイリッシュなライフスタイルをキャンプで楽しんでいる人がたくさんいます。

使われているギアも本来のキャンプ用品ではなく、ボーダーレスにセレクトされたアイテムなので、みなさんのサイトを眺めているだけでも楽しめます。

このソネングラスも、そんなおしゃれなキャンプサイトを飾ってくれるアイテムの1つではないでしょうか。

ガラス瓶ジャーのようなスタイルで、ふた部分にソーラーパネルとLEDライトが内蔵されています。明かりを灯すためのスイッチは、ヨーロッパのビール瓶から着想を得たワイヤーフックのような形状。先端の丸い金属部分をふたに近づけると、ビンの中がゆっくりと光で満たされていきます。

見た目も素朴な作りで、その一つ一つを南アフリカでハンドメイドしているそう。失業率の高い南アフリカで現地の雇用を生むため、フェアトレード(*2)という仕組みで生産されています。

*2 開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みのこと。

製品には作り手のサイン入りカードも添えられており、大量生産ではない温もりを感じるアイテムとなっています。

優しい光がビンの中に満たされ、中に入れたアイテムを美しくディスプレイする。一定の光を感知して自動的にオン・オフになる機能、自動節電機能、電池残量お知らせ機能も付いている。

ソネングラスは2つのサイズ、少し大きめの1000㎖タイプとコンパクトな250㎖タイプがあります。

瓶はストッカーとして使っても、好きな小物をしまっておくケースとして利用しても。キャンプでは、フルーツなどを運ぶジャーとして活躍しそうです。

デザインはクラシカルですが、ライト部分に最新の技術が生かされており、高い充電効率を誇るソーラーパネルシステムが組み込まれています。

天気のいい日であれば、1時間の充電で2時間の利用が可能。天気が悪そうな場合、マイクロUSBケーブルを使ってキャンプ前に充電しておけば、満充電状態なら24時間以上点灯するので、安心して使えます。充電時間はUSB使用で、250㎖は約3時間、1000㎖は約4時間かかります。

また、耐水仕様(IP67)のため、ガーデンライトやバスタイムのリラックスライトとしても利用できるのもポイントです。

バッテリーは800回以上充電できるので、通常の使用であれば約5年間持つといいます。もし、充電ができなくなっても、電池アップグレードサービス(有料)があり、半永久的に利用できるサポートを受けられます。

ソネングラスは、太陽の光を利用するサスティナブルなライト。持続可能な社会への思いは、生産体制やサポート体制にも反映されていました。

https://sonnenglas.jp

 

太陽光で火を起こす「サンケースギア」

両側に広がった反射板が太陽の光を集めて、中心の火種に火をつけるサンケースギア。税込み2200円。

太陽のエネルギーを利用する方法の中でも、古くからあるのが火起こしです。遠く離れた太陽の光を集めて火をつける方法で、オリンピック聖火の採火式などで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

パラボナアンテナのような大きな反射鏡が必要なのでは?と思うかもしれませんが、効率よく光を集められれば、コンパクトな反射鏡でも火をおこすことが可能です。

このソーラーブラザーのサンケースギアは、リサイクルABS、リサイクルポリカーボネートを使用し、重さはわずか12g。コンパクトボディにもかかわらず、太陽光で小枝などに火をつけることができます。

折り畳めば30(W)×70(H) ×20(D)mmとなり、手のひらに収まってしまうほどの大きさ。使用時は反射鏡を広げます。本体中心部のステー(銀色の金具)に火種を固定して集光すると、中心部は約400度にもなるそうです。

フランスで生産。同国の歴史ある発明コンクールで受賞し、機能性とデザイン性が評価された。マットで落ち着いた5色から選べる。

太陽の光でわざわざ点火する必要はあまりないかも……と思うかもしれませんが、実は太陽光を使うメリットも。それは、自然エネルギーを利用して環境へのインパクトを抑えること、だけではありません。

実際にキャンプに出かけてみると分かるのですが、ライターなどでは点火できないような強い風が吹く時があります。そんな時、このようなアイテムを使って確実に火がおこせるのは、とても便利です。

また、電子ライターなどを使用する場合、標高が上がると着火しづらくなる問題点も。しかし、このサンケースなら、陸上、海上問わずいかなる環境下でも同じ性能を発揮してくれるので、心強い存在になります。

高温になる車内に置いても、発火する危険性もありません。太陽の光だけで半永久的に利用できて、長期保管しても使用が可能。さらにコンパクトサイズなので、キャンプの常備アイテム、そして、いざというときの災害対策グッズとしても活躍してくれそうです。

https://www.chez-melin.com

 

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渡邉圭史(わたなべ・けいし)

アウトドアメーカー、出版社をへてフリーの編集者・ライターになり、アウトドア、クルマ、キャンピングカーの記事を発信。旅をしながら取材をするスタイルで、全国各地を飛び回っている。