今、電気料金が上昇し続けています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やロシアによるウクライナ侵攻など、電気料金に影響を与えている事象はいくつもあり、それらは複雑に絡み合っているため、要因を突き止めるのは非常に難しい行為です。

しかし、電気料金が値上がりする仕組みを理解することで、再生可能エネルギーの可能性を大いに感じられるでしょう。自社で電力発電をできる方法を確保しておけば、めまぐるしく状況が変わる社会情勢の影響を受けにくく、電気料金が値上がりしたとしても支出を抑えられるかもしれません。

今回は電気料金が値上がりする理由を解説するとともに、再生可能エネルギーを導入するメリットを紹介します。

なぜ電気料金が上昇しているのか?

電気料金が値上がりする理由を理解する上では、電気料金が設定される仕組みを把握しておく必要があります。一般的に「基本料金」「従量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」という4つの要素を加味して、私たちが使った電気に対して値段がつけられているのです。

社会的に話題になっている電気料金の値上がりには「燃料費調整額」が大きく影響しています。これは発電燃料に使われるLNG(天然ガス)や石炭、石油などの輸入価格によって値段がつけられ、電力会社の経営と電力の安定供給を守るために設定されているものです。消費者が全てを負担する必要はないと考えられているため、消費者に対して請求できる金額には上限があります。

ちなみに、現在、すでに一部の電力会社は上限に達しています。これは消費者にとってメリットがあるように感じますが、電力会社に「燃料費調整額」の収入がないと電力の安定供給が実現しにくくなるのです。その事態の弊害として停電が挙げられます。

話を元に戻しますが、昨今の電気料金の値上がりはLNGや石炭、石油などの輸入価格によって値段がつけられる「燃料費調整額」が影響しています。つまり、LNGや石炭、石油などの価格が上昇しているのです。

これには多くの要素が関わっています。まずは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。感染拡大によるパンデミック宣言で、世界の国や地域、企業の経済活動は一時停滞し、原油価格は大幅に下落しました。現在は再開されているので、原油価格が上昇しているのです。

原油価格の上昇はLNG価格の上昇につながります。というのも、LNG価格は長期契約の場合、3ヶ月分の原油価格をベースに変動する決まりとなっているのです。日本の電力は火力発電によって4分の3以上が賄われており、その火力発電の発電燃料はLNGの割合が一番高い状況となっています。だから、「燃料費調整額」が上昇し、電気料金が上がるのです。

他にも中東で石油施設が爆発したり火災が発生したりしているため、原油価格に影響が出ています。ヨーロッパ諸国とロシアの緊張関係もまた、原油価格に影響を与えていました。

原油と関わりの強いLNGですが、長期契約でない場合はそれ自体の需給によって値段がつけられます。アジア市場では値上がりが続いており、これは中国の政策が大きく影響しています。同国は環境対策に力を入れ始めており、石炭よりも二酸化炭素排出量が少ないLNGを購入するようになっているのです。

これらの要素がお互いに関係しあって「燃料費調整額」が上昇しているのです。

そして、ウクライナに侵攻しているロシアが世界でも有数のエネルギー供給国であることも忘れてはいけません。同国はLNGのおよそ5分の1、石油のおよそ10分の1、石炭のおよそ20分の1を採掘しています。彼らが輸出を制限したとすると、エネルギー供給が減少し、値段が上がることになるでしょう。そうなった場合、ロシアからの輸入に頼れなくなった国や地域、企業が中東に流れ、さらにエネルギー価格が上昇する可能性もあります。

電気料金の値上がりの影響を受けない方法

情報量が多いので軽くおさらいしておくと、電気料金の値上がりにはLNGや石炭、石油などの輸入価格が上昇したことによって、電力会社の経営と電力の安定供給を守るための「燃料費調整額」が増えたことが影響しています。

消費者に対しては「燃料費調整額」の上限が設定されていますが、じつは企業向け電力にはこれがありません。一般的に消費者のための電力は「低圧」、企業のための電力は「高圧」「特別高圧」となっており、「高圧」「特別高圧」の「燃料費調整額」に上限設定はないのです。つまり、どんどんと電気料金が上がり続けてしまう可能性があります。

このような状況に強いのが再生可能エネルギーです。LNGや石炭、石油などではなく、自然界にある太陽光や風力、波力、地熱などを発電燃料にしているのですから。今すぐに再生可能エネルギーの発電所を建設したとすれば、大幅に電気料金を抑えられます。大きな投資をせずとも、まずは屋根や駐車場の上にソーラーパネルを取り付けるだけでも違いが生まれるでしょう。

ソーラーカーポート「MOENZO」とは?

駐車場を有効活用できる「MOENZO」

インリー・グリーンエナジージャパンが開発した屋根一体型ソーラーカーポート「MOENZO(燃えんぞぅ)」は、駐車場のスペースを有効活用できる製品です。企業が掲げるSDGsに関する目標達成に一翼を担うのはもちろんのこと、値上がりし続ける電気代を抑えるためにも役立ちます。

たとえば、駐車台数が2台分の大きさの「MOENZO」を設置すると年間およそ15万円、36台の場合は年間およそ155万円、70台の場合は年間およそ425万円、150台の場合は年間およそ741万円を削減できます。長期的な視点で考えると、十分に初期投資を回収できるでしょう。二酸化炭素排出量の抑制にも有効なので、企業のカーボンニュートラル達成の可能性も非常に高まります。

また、「MOENZO」は国土交通省の定める「飛び火認定(DR)」を取得しており、飛び火に対する高い耐火性能が認められています。それゆえ、建築基準法で制定されている防火地域(市街地、駅周辺等)への設置が可能となっており、建物が密集した地域でも安心してご利用いただけます。

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