太陽光で発電した電気があれば、キャンプがより楽しくなる! そんなソーラーグッズを前編に続いて紹介します。

「キャンプに役立つソーラーグッズ前編」に引き続き、キャンプで役立つソーラーグッズを紹介します。今回は“電力の確保”をメインターゲットとしたアイテムをピックアップしました。

ソーラーパネルで電気をつくり、バッテリーに蓄えて利用するアイテムたちです。太陽の光が届いている限り、いかなる環境でも電気エネルギーを確保して、フィールドアクティビティをサポートしてくれます。

クルマを使わない登山、トレッキングでは、電力の確保がさらに難しいため、今回紹介するアイテムが活躍するでしょう。

最大出力20Wの折り畳み式ソーラーパネル「GOAL ZERO Nomad 20 Solar Panel」

収納サイズはA4よりも小さく、展開すると553×292㎜のパネルになる。税込み26180円。

スマホが広まる前から、アウトドアでは電気を使うことが多く、無線機、天体望遠鏡の自動追尾装置などを使用する際、電源を用意するのに苦労したものです。

当時は小さなショルダータイプのバッテリーパックなどを利用していたのですが、バッテリー容量は少なく、電池の性能も安定していませんでした。

そんな時、アウトドアでの利用を目的としたバッテリーシリーズ「ゴールゼロ」が発売され、アウトドア好きがこぞって導入した記憶があります。

製品を開発したゴールゼロ社は、電気を使えない貧困層をなくすことを理念に掲げて2008年にアメリカで設立し、アウトドアでの使用に耐えうるハードスペックのアイテムを作り続けてきました。

ゴールゼロでは、クルマなどで運ぶようなポータブル電源、カバンの中に入れられるモバイルバッテリー、単三電池を利用したコンパクトなバッテリーなど、さまざまな容量のバッテリーをラインアップしています。

その持ち運べるモバイルバッテリーと併せて使うのに最適なサイズのソーラーパネルが、このNomad 20 V2 Solar Panelです。

三つ折りにするとA4サイズよりも小さく、重さ約1.03kgで持ち運びが簡単です。アウトドアで使うことを前提に開発されているので耐久性が高く、パネル表面は樹脂でカバーされて非常に頑丈。凹凸がないので、土などが付着しても簡単に水で洗い流せます。

背面に角度を調整できるスタンドが付き、太陽の光を効率よく集められます。また、4隅にスリットが入り、カラビナ(開閉できる部分がついた金属リング)やロープを使って、つり下げて設置することも可能です。

最大出力は20W。モバイルバッテリーに接続して蓄電したり、USBポートを使ってUSB電源機器に直接充電できたりします(8㎜ソーラーポート出力:最大20W/14~22V、最大1.3A、USB出力:最大10.5W/5V、最大2.1A)。

カバンに入れて持ち運べるサイズですが、これだけの出力があれば大容量のモバイルバッテリーにも対応できるでしょう。いつでも電気を確保できる安心感も得られそうです。

https://www.ask-corp.jp/products/goal-zero/solar-panel/nomad-20-v2-solar-panel.html

AC100出力やワイヤレス充電に対応した「GOAL ZERO Sherpa 100AC Power Bank」

約190(W)×25.4(H)×144(D)mm、重さ約907gのコンパクトなボディ。AC電源コンセントとワイヤレス充電機能を装備。税込み40480円。

ソーラーパネルでつくった電気を一度バッテリーに蓄えてから利用することによって、電気機器は最大のパフォーマンスを発揮できます。

太陽光の強さは常に変化しているので、ソーラーパネルから出力される電気は一定ではありません。そこで、バッテリーに蓄電してから電気を取り出すことで、一定の出力が確保できるのです。

上のソーラーパネルNomad 20 V2 Solar Panelにちょうどいいのが、こちらのポータブル電源Sherpa 100AC Power Bank。

厚さ約25㎜のスマートなきょう体ながら、電池容量94.7Wh(ワットアワー/14.8V、6,400mAh)、AC電源出力、ワイヤレス充電、USB-C/Aポートを装備しています。

これだけそろっていたら、スマホはもちろんのこと、パソコンやカメラの充電なども十分にカバーしてくれるスペックです。AC出力は100W、USB-CのPD出力は60Wまで対応しています。高速充電のアイテムが増えてきて消費電力が大きくなる傾向がありますが、そのような高出力の充電器などに使っても問題ありません。

視認性の高いディスプレイで残量や消費電力などを確認でき、バックライト付きでアウトドアでも使いやすくなっています。

手荷物として飛行機に持ち込みができる電池容量であるのもポイント。機内でパソコン作業をしたい時など、このバッテリーがあると安心です。

https://www.ask-corp.jp/products/goal-zero/battery/sherpa-100ac-power-bank.html

【ソーラーパネルとポータブル電源はブランド統一が最強!】

ソーラーパネルから直接充電できるのは、ブランドの互換性があるからこそ。

Sherpa 100AC Power Bankは、コンパクトなサイズでありながらソーラーパネルの入力ポートが付いています。同サイズの他社のポータブル電源のほとんどが、充電方法はUSB経由のみであるのに対して、これはソーラーパネルと直接接続できるので便利。

Sherpa 100AC Power BankとソーラーパネルNomad 20 V2 Solar Panelとの相性は良く、互いの出力と入力のパワーが統一されていて、スペック上でも互換性に優れていることが分かります。このように利用時にブランドをそろえることで、安全に効率よく電気を蓄えられるようになります。

本来であれば、ソーラーパネルとポータブル電源を買いそろえる際、入力される電圧などを考えて、スペックに合ったモデルを探さなければなりません。ポータブル電源の入力制限を超える電気がソーラーパネルから供給されると、安全装置が動いてシステムがダウンしたり、入力が下限よりも低くなると充電ができなくなったりするためです。しかし、ゴールゼロで統一することで、スペックを気にすることなく接続できるようになるのです。

実際の利用方法としては、最初に自宅でバッテリーを充電しておき、アウトドアでは利用した電気をソーラーパネルで発電して補うことで、長時間の利用が可能になります。

数日かけて山を縦走したり、山の中で写真撮影をする時などに、このセットがあると便利そうです。また、防災対策として、停電時でも太陽で効率よく充電できるこのソーラーパネルと、普段の生活で利用している家電が接続できるAC100Vコンセントが付いたこのバッテリーをそろえておくのもいいでしょう。

カバンに忍ばせておきたいコンパクトサイズのソーラーパワー「GOAL ZERO Guide 12+Nomad 5 Solar Panel Kit」

A5サイズのソーラーパネルと単三電池4本のコンパクトな組み合わせが使いやすい。2021年8月に発売したばかり。税込み14080円。

ゴールゼロのアイテムでコンパクトなソーラーパネルとバッテリーを組み合わせるのなら、Guide 12+とNomad 5 Solar Panel Kitがおすすめです。

ソーラーパネルは、約178(W)×240(H)×28(D) mmと小型で、重さ約360gと軽量な設計です。パネル表面に特殊な加工が施されて耐久性が高く、外部からの衝撃にも強い。アウトドアでもラフに扱えて心強い味方です。

パネル周囲にはガードのようなパーツが取り付けられ、見るからに頑丈そうです。4隅にカラビナを接続できる穴が空いているので、バックパックの後ろにぶら下げて移動中に充電できます。

ソーラーパネルの後ろにスタンドが付き、好きな場所に置いて利用できるのは、このサイズとしては珍しい機能。出力は5V 5W 、USBで充電式ライトやスマホに直接接続が可能です。

バッテリーは、単三ニッケル水素電池4本に充電する仕様になっています。充電したら単三電池としても、モバイルバッテリーとしても利用できるハイブリッド仕様です。

出力はUSBタイプAで、電圧5Vで最大2A。本体にLEDライトが付いていて、手元を照らせます。

容量は12.0Wh(ワットアワー/4.8V 2,500mAh、ニッケル水素充電地4本使用時)で、スマホへの充電1回分が目安ですが、ソーラーパネルで発電して最短4時間で充電できるので、スマホの充電程度しか利用しない人にとって十分なスペックといえるでしょう。

防災用ラジオやLEDライト、無線機など、アウトドアギアは単三電池を利用する機器が多いため、いざというときに乾電池として利用できるのも便利です。

https://www.ask-corp.jp/products/goal-zero/battery-pack/guide-12-nomad-5-solar-panel-kit.html

いつでも正確な時刻を刻み続けるタフな「CASIO PRO TREK PRW-6620YFM-1JR

アウトドアウォッチとしてユーザーから支持されているプロトレックシリーズ。重さ78g、10気圧防水。税込み66000円。

最後に、少し系統の違うソーラーアイテムを紹介します。それは、アウトドアで大きなパフォーマンスを発揮してくれる時計です。

このPRO TREK PRW-6620YFM-1JRは、アウトドアウォッチとして人気の高いプロトレックシリーズの1モデル。アウトドアでの行動をサポートする機能に加え、文字盤のカラーリングなどに洗練されたデザインを施し、先端消臭テクノロジーを取り入れた機能的デザインウェアブランド「MXP®」の素材を採用した付け替え用バンドをセットにしています。

PRW-6620YFM-1JRは、ソーラーで発電してこの小さなボディの中に電気を蓄え、時を刻み続けます。さらに、電波を受信して時刻は常に正確です。

アウトドアで活動していると時間の感覚が薄れることがあります。そんな時、時計があると、日の入り、日の出などに合わせた行動が取れて効率的に活動できるのです。時計が一番大切という人も多く、古くから冒険家に高スペックの時計が提供されてきたのも納得がいきます。

特にこのPRW-6620YFM-1JRは、高度、気圧、方位、温度が計測できるトリプルセンサー付き。アウトドアで大活躍してくれることでしょう。今いる場所の気圧などを計測し、スマホ圏外であっても天候変化をピンポイントで読み取って必要な情報を提供してくれる、心強い相棒となってくれます。

ソーラーパワーながら、視認性の高い太い針を駆動させるパワーを誇る。

このPRW-6620YFM-1JRを改めて見てみると落ち着いたデザインで、視認性の高い針と文字盤が目に飛び込んできます。太い針を動かせるのは、プロトレックならではの強みでもあります。

アナログ文字盤の下にはデジタルディスプレイが組み込まれ、高度や方位などいろいろな情報を切り替え表示。ケースサイドのリューズ(突起のある部品)には電子式リューズスイッチを搭載していて、リューズを回転させるだけで素早くモード切り替えができるので、ボタンを押すよりもが感覚的に操作できるようになっています。

また、ワールドタイム機能で、プリセットされた世界29都市とUTC(協定世界時)の時刻を知ることができます。世界中を旅する人や世界でビジネスを手掛ける人にも、おすすめできるモデルです。

ここまでソーラーアイテムをセレクトしてきたので、電気のパワーがどれほどか気になります。

こちらのモデルはフル充電された状態で、ソーラー発電をしなくても約6か月駆動するそう。さらに、パワーセービング状態になると約25か月も駆動し続けるパワフル設計です。

蛍光灯の光でも発電するため、一般的な生活スタイルで時計を装着しながら、ソーラー充電を行うことが可能。普段の生活で時計が動き続けて、正確な時刻、気圧、気温、方位まで知ることができるのです。

ソーラーエネルギーを最も効率よく活用しているアイテムの1つといっていいでしょう。

https://www.casio.com/jp/watches/protrek/product.PRW-6620YFM-1/

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渡邉圭史(わたなべ・けいし)

アウトドアメーカー、出版社をへてフリーの編集者・ライターになり、アウトドア、クルマ、キャンピングカーの記事を発信。旅をしながら取材をするスタイルで、全国各地を飛び回っている。